医療用のインタール点鼻液2%と同じ成分(クロモグリク酸ナトリウム)が配合されたアレルギー性鼻炎用点鼻液は各社から販売されています。クロモグリク酸ナトリウムは1997年にスイッチOTC化されています。
しかし、医療用のインタール点鼻液と市販されているクロモグリク酸ナトリウム配合の点鼻液は同じではありません。
医療用のインタール点鼻液に入っている薬効成分はクロモグリク酸ナトリウムのみですが、市販薬にはクロモグリク酸ナトリウムの他にクロルフェニラミンマレイン酸塩とナファゾリン塩酸塩が配合されています。
クロモグリク酸ナトリウムのみが入った市販の点鼻薬はありません。
ほかに2つも成分が入っているから良いじゃないかと思うかもしれませんが、このナファゾリンという血管収縮成分があまり良くありません。(クロモグリク酸ナトリウム自体は悪くありません。)
ナファゾリン塩酸塩配合点鼻薬の注意点
ナファゾリン塩酸塩は血管を収縮させることで鼻づまりを解消させる作用がありますが、長期間連用することで、かえって鼻がつまりやすくなります。
添付文書には
過度に使用すると、かえって鼻づまりを起こすことがありますので用法・用量を厳守してください。
という記載があります。
インタール点鼻液と同じ成分だからという理由で使うのはあまりオススメできません。
クロモグリク酸ナトリウム+クロルフェニラミンマレイン酸塩+ナファゾリン塩酸塩配合の点鼻市販薬の使用は薬剤師の立場からはあまりオススメできません。
鼻づまりがひどい場合は一度耳鼻科で見てもらうのが良いでしょう。
花粉症やアレルギー性鼻炎に効果が高いのはやはりステロイド点鼻液です。点鼻であればステロイドの全身性の副作用はほぼ心配ありません。