タバコをやめようと思うのですが、禁煙補助剤は薬局で買えますか?どうやって禁煙するのでしょうか。いくらくらいかかりますか?。
禁煙をしたいのですね。
では今回は、禁煙補助剤のニコチン製剤についてパッチ製剤とガム製剤について解説していきます。
禁煙補助薬の『ニコチネルパッチ、ニコチネルガム、ニコレット』の有効成分ニコチンは2001年にスイッチOTC化されましたので、処方せんが無くても薬局やドラッグストア、インターネットでの購入が可能です。
<プロフィール>
- 大手調剤薬局の管理薬剤師
- 管理薬剤師歴は10年以上
- 一般用医薬品も幅広く販売
スイッチOTC成分を正しく使って上手にセルフメディケーションをするお手伝いをしていきます。
禁煙補助剤にはパッチ(貼り薬)とガム製剤がある
一般用医薬品の禁煙補助剤には貼り薬とガム製剤の2種類があります。
いずれの製剤もタバコの替わりに、パッチやガムからニコチンを摂取することで禁煙によるイライラや集中力の低下、落ち着かないといった症状を和らげます。
パッチが良いかガム製剤が良いかはそれぞれの状況によって異なりますが以下が目安になります。
どちらの製剤も使い始めたらタバコを吸ってはいけません。
禁煙補助薬のパッチ製剤とガム製剤の特徴
パッチ製剤もガム製剤も禁煙の成功率はほぼ同じ(パッチ製剤の方が少し高い)
禁煙補助薬を使って禁煙に挑戦したほうが成功率は約2倍近く高まる。
まずはニコチンのパッチ製剤から詳しく見て行きましょう。
禁煙補助薬 ニコチンのパッチ製剤の使い方と禁煙までにかかる金額
ニコチンのパッチ製剤は『ニコチネルパッチ』のみです。
ニコチネルパッチの使い方
ニコチネルパッチ20を1日1回、1枚を起床時から就寝時まで貼付します。貼付する場所は上腕部、腹部、腰背部のいずれかに。皮膚への刺激を避けるために毎回場所を変えて貼ります。
ニコチネルパッチ10を1日1回、1枚を起床時から就寝時まで貼付します。貼り方はニコチネルパッチ20と同じです。※ニコチネルパッチ20を6週間使用した時点で離脱症状が無く、禁煙の自信があればニコチネルパッチ10を使用する必要はありません。
もうパッチを貼る必要はありません。
ニコチネルパッチ20を6週間(14枚入り)を3つ購入するとAmazonで約15840円(Amazon)
その後、ニコチネルパッチ10を2週間(14枚入り)1つを購入すると約5280円(Amazon)
合計約21,000円で禁煙ができます。
現在のタバコの購入代金と比較してみてください。
ニコチネルパッチ20
ニコチネルパッチ10
禁煙補助薬 ニコチンガム製剤の使い方と禁煙までにかかる金額
続いてはニコチンのガム製剤です。
ニコチンのガム製剤には『ニコチネルガム』と『ニコレット』の2製品あります。
使い方はどちらも同じです。まずはニコチネルガムから見て行きましょう。
ニコチネルガム
マンゴー味、スペアミント味、ペパーミント味の3種類あります。
タバコの替わりにニコチネルガムを噛みます。ガム1つにニコチンが2mg入っています。
ゆっくり15回程度噛んだ後にほほと歯茎の間に味が無くなるまで(約1分ほど)置きます。
噛む⇒置くを30~60分間繰り返します。
禁煙前の1日の本数にもよりますが、8~12週間で禁煙します。
31本以上タバコを吸っていた人がニコチネルガムで禁煙をした場合、
- 最初の4週間:最大336個(12個/日×28日)
- 次の2週間:最大126個(9個/日×14日)
- 次の2週間:最大84個(6個/日×14日)
- 次の2週間:最大42個(3個/日×14日)
- 最後の2週間:最大14個(1個/日×14日)
合計で、最大602個のニコチネルガムが必要です(もちろんもっと少ない数で済む方もいます)。
90個入りが最安値4,000円くらいで購入できますので、約27,000円で禁煙ができる計算です。
ニコチンガム製剤にはもうひとつあります。
ニコレット
ニコチネルガムと使い方や効果は同じです。
ニコレットには甘くないベーシックタイプ、甘みのあるミント味、清涼感のあるミント味、甘くフルーティーなミント味の4種類があります。
ガムの噛み方はニコチネルガムと同じです。
タバコの替わりにニコチネルガムを噛みます。ガム1つにニコチンが2mg入っています。
ゆっくり15回程度噛んだ後にほほと歯茎の間に味が無くなるまで(約1分ほど)置きます。
噛む⇒置くを30~60分間繰り返します。
禁煙前の1日の本数にもよりますが、8~12週間で禁煙します。
31本以上タバコを吸っていた人がニコレットガムで禁煙をした場合、
- 最初の4週間:最大336個(12個/日×28日)
- 次の2週間:最大126個(9個/日×14日)
- 次の2週間:最大84個(6個/日×14日)
- 次の2週間:最大42個(3個/日×14日)
- 最後の2週間:最大14個(1個/日×14日)
合計で、最大602個のニコチネルガムが必要です(もちろんもっと少ない数で済む方もいます)。
96個入りが最安値5800円くらいで購入できますので、約36,000円で禁煙ができる計算です。
ニコレットの方が販売価格が少し高いですね。
禁煙の成功率はパッチとガム製剤ではどちらが高い?
パッチの方が成功率が少し高いという報告がありますが、大きな違いではありません。
パッチかガムかは好みで選んでいただいて構いません。
禁煙の成功率は、ニコチン製剤を使わない場合よりもニコチン製剤を使った方が2倍近く成功率が高まります。
ニコチン製剤には以下の効果があります。
禁煙時のイライラ・集中困難・落ち着かないなどの症状の緩和
ニコチン禁煙補助剤を使用してはいけない人
医薬品ですのでニコチン禁煙補助薬を使用できない方もいます。購入時は薬剤師等から説明を受けて購入してください。
1.次の人は使用しないでください。
(1)非喫煙者〔タバコを吸ったことのない人及び現在タバコを吸っていない人〕(はきけ,腹痛,めまいなどの症状があらわれることがあります。)
(2)他のニコチンを含有する製剤を使用している人
(3)妊婦又は妊娠していると思われる人
(4)授乳中の人(乳汁中への移行が認められています。)
(5)重い心臓病を有する人
1)3ヵ月以内に心筋梗塞の発作を起こした人
2)重い狭心症と医師に診断された人
3)重い不整脈と医師に診断された人
(6)急性期脳血管障害(脳梗塞,脳出血等)と医師に診断された人
(7)うつ病と診断されたことのある人(禁煙時の離脱症状により,うつ症状を悪化させることがあります。)
(8)本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状(例えば,発疹・発赤,かゆみ,はれ等)を起こしたことがある人
2.次の部位には使用しないでください。
湿疹,かぶれ,傷口
3.本剤を一度に2枚以上使用しないでください。
4.本剤を使用中及び使用直後は,次のことはしないでください。(はきけ,腹痛,めまいなどの症状があらわれることがあります。)
(1)ニコチンガム製剤の使用
(2)喫煙
5.本剤を使用中は,サウナの使用や激しい運動はしないでください。(はきけ,腹痛,めまいなどの症状があらわれることがあります。)
※ニコチネル パッチ20より
1.次の人は使用しないこと
(1)非喫煙者〔タバコを吸ったことのない人及び現在タバコを吸っていない人〕(吐き気,めまい,腹痛などの症状があらわれることがある。)
(2)すでに他のニコチン製剤を使用している人
(3)妊婦又は妊娠していると思われる人
(4)重い心臓病を有する人
1)3ヵ月以内に心筋梗塞の発作を起こした人
2)重い狭心症と医師に診断された人
3)重い不整脈と医師に診断された人
(5)急性期脳血管障害(脳梗塞,脳出血等)と医師に診断された人
(6)うつ病と医師に診断された人
(7)本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状(発疹・発赤,かゆみ,浮腫等)を起こしたことがある人
(8)あごの関節に障害がある人
2.授乳中の人は本剤を使用しないか,本剤を使用する場合は授乳を避けること
(母乳中に移行し,乳児の脈が速まることが考えられる。)
3.本剤を使用中あるいは使用直後に次のことをしないこと
(1)喫煙
(2)ニコチンパッチ製剤の使用
4.6ヵ月を超えて使用しないこと
※ニコレットより
禁煙補助薬(ニコチン製剤)のまとめ
- 禁煙補助薬(ニコチン製剤)にはパッチとガムの2種類あります。
- どちらの禁煙補助薬を使用しても成功率に大きな差はありません。
- 禁煙補助薬を使用しない場合よりも使用したほうが禁煙の成功率は2倍程度高まります。
禁煙補助薬はガムが良いか、パッチが良いかは好みです。
口寂しい方はガムを。ガムを噛める環境に無い方はパッチが良いでしょう。
用法用量を守って正しくお使いください。