セルタッチテープと同じ成分の市販薬は薬局で買えますか？【消炎鎮痛薬】

医療用の『セルタッチテープ』の有効成分フェルビナクは1995年にスイッチOTC化されましたので、処方せんが無くても薬局やドラッグストア、インターネットでの購入が可能です。

医療用（先発品）

• セルタッチテープ70 10cmx14cm　　膏体重さ2.0g

医療用（後発品）

• フェルビナクテープ70mg（10cmx14cm）膏体の重さ2.0g
• フェルビナクテープ70mg（10cmx14cm）膏体の重さ1.4g
• フェルビナクテープ35mg（7cmx10cm）膏体の重さ1.4g

フェルビナクってどんな薬？

フェルビナクはフェニル酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬で、抗炎症、鎮痛作用を示します。痛みや炎症の原因物質であるプロスタグランジン生合成を抑制することで痛みや炎症を抑えます。

医療用としては『セルタッチ』の商品名でテープ剤とパップ剤が、『ナパゲルン』の名前で軟膏とクリーム剤、ローション剤が使用されています。

フェルビナクが含まれている医療用のテープ剤

医療用のフェルビナク含有テープ剤には2種類の大きさの商品があります。

セルタッチテープ70mg

• 1枚の大きさが10cmx14cm
• 1枚にフェルビナク70mg含有
• テープ1枚の重さは2.0ｇ

フェルビナクテープ70mg「久光」

• 1枚の大きさが10cmx14cm
• 1枚にフェルビナク70mg含有
• テープ1枚の重さは2.0g
• 添加物にl-メントールあり

フェルビナクテープ70mg「三笠」

• 1枚の大きさが10cmx14cm
• 1枚にフェルビナク70mg含有
• テープ1枚の重さは1.4g
• 添加物にl-メントールなし

大きさは同じですが1枚当たりの重量が軽くなっています。

成分量は70mgで同じなので、効果も同じです。

フェルビナクテープ70mg「NP」・フェルビナクテープ70mg「EMEC」

• 1枚の大きさが10cmx14cm
• 1枚にフェルビナク70mg含有
• テープ1枚の重さは1.4g
• 添加物にl-メントールあり

フェルビナクテープ35mg「三笠」

• 1枚の大きさが7cmx10cm
• 1枚にフェルビナク35mg含有
• テープ1枚の重さは0.7g
• 添加物にl-メントールなし

ちょうど半分のサイズです。

では市販薬のフェルビナク含有のテープにはどのような商品があるのでしょうか。

医療用に近い商品に絞って紹介していきます。

フェルビナクが含まれている市販薬のテープ剤（処方せん無しで購入可能）

製品によって、膏体量100g中の成分量で記載されているものや1枚に含有されている成分量で記載されているものがあります。ここでは、医療用と比べやすいように1枚当たりの含有量で記載します。

医療用となるべく近づけるために、条件は以下の3つ。

• フェルビナクが医療用と同量入っている
• 有効成分にl-メントールなし （添加物はOK）
• 温感タイプではない

パスタイムFX7

• 成分含有量：1枚中 フェルビナク 35mg
• 大きさ：10cm×7cm
• 膏体質量（1枚の重さ）：1g

フェルビナクテープ35mg「三笠」に最も近い商品です。1枚の重さはこちらの方が少し重いですが、効果は同じです。

パスタイムFX7-L

• 1枚の大きさが10cmx14cm
• 1枚にフェルビナク70mg含有
• テープ1枚の重さは2.0ｇ

セルタッチテープ70mgに最も近い商品がこれです。

セルタッチテープ70mgにはl-メントールが入っていませんが、パスタイムFX7-Lには添加物として入っています。

フェルビナク含有の医療用医薬品と市販薬の違い

フェルビナク含有の医療用医薬品と市販薬との間には違いがあります。

効能・効果が異なる

効能・効果が異なります。効果といっても効き目が違うわけではありません。

医療用の『セルタッチテープ70mg』は以下の疾患に使用できます。

下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
　変形性関節症
　肩関節周囲炎
　腱・腱鞘炎
　腱周囲炎
　上腕骨上顆炎（テニス肘等）
　筋肉痛
　外傷後の腫脹・疼痛

一般用医薬品のフェルビナク含有テープ剤は以下の疾患に使用できます。

腰痛，肩こりに伴う肩の痛み，関節痛，筋肉痛，腱鞘炎（手・手首・足首の痛みと腫れ），肘の痛み（テニス肘など），打撲，捻挫

※パスタイムFX7-Lより

使用できる年齢が異なる

医療用の『セルタッチテープ70mg』は添付文書上、使用できる年齢に制限はありません。

それに対し、市販のフェルビナク含有のテープ剤は15歳未満の小児は使用できません。

フェルビナク含有の一般用医薬品を使用してはいけない人

一般用医薬品のフェルビナク含有製品を使用できない方もいます。購入時は薬剤師等から説明を受けて購入してください。

1．次の人は使用しないでください。
（1）本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状（発疹・発赤，かゆみ，かぶれ等）を起こしたことがある人
（2）ぜんそくを起こしたことがある人
（3）妊婦又は妊娠していると思われる人
（4）15歳未満の小児
2．次の部位には使用しないでください。
（1）目の周囲，粘膜等
（2）湿疹，かぶれ，傷口
（3）みずむし・たむし等又は化膿している患部
3．連続して2週間以上使用しないでください。

※フェイタスシップより

フェルビナク含有テープ剤（市販薬）のまとめ

• フェルビナクは医療用にも使用されている成分です。
• フェルビナクテープ35mgと70mgの2種類のテープ剤があります。
• 15歳未満には使用できません。

小さい方は1枚にフェルビナクを35mg含んでいます。

こちらは2倍の大きさで、1枚あたりフェルビナクを70mg含んでいます。

用法用量を守って正しくお使いください。

同じ成分のパップ剤（湿布）については別の記事にまとめました。

違う成分の消炎鎮痛薬のテープ剤はこちらをご覧ください。