病院でもらった『カトレップパップ』と同じって無いのでしょうか?湿布の方が良く効くような気がしたのでもしあれば欲しいなと。
『カトレップパップ』ですね。
では今回は、カトレップパップと同じ成分(成分名:インドメタシン)のパップ剤が市販薬にあるか、薬局で買えるか解説していきます。
通常の湿布と温感タイプの湿布と両方ありますので紹介していきます。
<プロフィール>
- 大手調剤薬局の管理薬剤師
- 管理薬剤師歴は10年以上
- 一般用医薬品も幅広く販売
スイッチOTC成分を正しく使って上手にセルフメディケーションをするお手伝いをしていきます。
医療用の『カトレップパップ』の有効成分インドメタシンは1985年にスイッチOTC化されましたので、処方せんが無くても薬局やドラッグストア、インターネットでの購入が可能です。
医療用(先発品)
- カトレップパップ70mg 10cmx14cm
- イドメシンコーワパップ70mg 10cmx14cm
- インテナースパップ70mg 10cmx14cm 他
- ラクティオンパップ70mg 10cmx14cm(温感タイプ)
医療用(後発品)
- インドメタシンパップ70mg 10cmx14cm
インドメタシンってどんな薬?
インドメタシンはインドール酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬で、抗炎症、鎮痛作用を示します。痛みや炎症の原因物質であるプロスタグランジン生合成を抑制することで痛みや炎症を抑えます。
医療用としては徐放カプセル、坐剤、ゲル、クリーム、ゾル、軟膏、液、パップ、テープと多くの剤型で使用されています。
坐剤には解熱の適応はありません。鎮痛のみの目的で使用されます。
胃を荒らさない鎮痛剤が出てきていることもあり、内服で使用される機会はほとんどなくなりました。
インドメタシンが含まれている医療用のパップ剤(湿布)
医療用のインドメタシン含有のパップ(湿布タイプ)には通常タイプと温感タイプの2種類があります。
通常のパップ
カトレップパップ70mg 10cmx14cm
イドメシンコーワパップ70mg 10cmx14cm
インテナースパップ70mg 10cmx14cm 他
- 1枚の大きさが10cmx14cm
- 1枚にインドメタシンが70mg含有
- シップ1枚の重さは14g
温感のパップ
ラクティオンパップ70mg 10cmx14cm
- 1枚の大きさが10cmx14cm
- 1枚にフェルビナク70mg含有
- シップ1枚の重さは12g
では市販薬のインドメタシン含有のパップ(湿布タイプ)にはどのような商品があるのでしょうか。
インドメタシン含有量や大きさなど様々な市販薬がありますが、その中から医療用に近い商品に絞って紹介していきます。
インドメタシンが含まれている市販薬のパップ剤(処方せん無しで購入可能)
製品によって、膏体量100g中の成分量で記載されているものや1枚に含有されている成分量で記載されているものがあります。ここでは、医療用と比べやすいように1枚当たりの含有量で記載します。
バンテリンコーワパップS
- 成分含有量:1枚中 インドメタシン 70mg
- 大きさ:10cm×14cm
医療用のカトレップパップ70mgと同じ含有量です。温感ではない通常のパップです。
オムニード0.5IDパップ
- 成分含有量:1枚中 インドメタシン 70mg
- 大きさ:14cm×10cm
バンテリンコーワパップSと同様、医療用のカトレップパップ70mgと同じ含有量です。温感ではない通常のパップです。
キュウメタシンパップZ
- 成分含有量:1枚中 インドメタシン 70mg
- 大きさ:14cm×10cm
オムニード0.5IDパップ、バンテリンコーワパップSと同様、医療用のカトレップパップ70mgと同じ含有量です。温感ではない通常のパップです。
テイパップID(0.5%)
- 成分含有量:1枚中 インドメタシン 70mg
- 大きさ:14cm×10cm
この製品も医療用のカトレップパップ70mgと同じ含有量です。カトレップパップを製造している帝国製薬の商品です。
バンテリンコーワパップホット
- 成分含有量:1枚中 インドメタシン 70mg
- 大きさ:14cm×10cm
- 温感タイプ
この製品は温感タイプです。医療用のラクティオンパップ70mgと同じ含有量です。
テイパップID0.1ホット
- 成分含有量:1枚中 インドメタシン 70mg
- 大きさ:14cm×10cm
- 温感タイプ
この製品も医療用のラクティオンパップ70mgと同じ含有量です。カトレップパップを製造している帝国製薬の商品です。
スキュタームID0.5%ホット
- 成分含有量:1枚中 インドメタシン 70mg
- 大きさ:14cm×10cm
- 温感タイプ
テイパップID0.1ホットと製造販売元は同じ会社です。スキュタームID0.5%ホットの方が少量から購入できます。
インドメタシン含有の医療用医薬品と市販薬の違い
インドメタシン含有の医療用医薬品と市販薬との間には違いがあります。
効能・効果が異なる
効能・効果が異なります。効果といっても効き目が違うわけではありません。
医療用の『カトレップパップ70mg』は以下の疾患に使用できます。
下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛
一般用医薬品のインドメタシン含有パップ剤は以下の疾患に使用できます。
腰痛,筋肉痛,肩こりに伴う肩の痛み,関節痛,腱鞘炎(手・手首の痛み),肘の痛み(テニス肘など),打撲,捻挫
成分含有量が異なる
医療用のパップ剤はインドメタシンが1枚当たり70mg含まれていますが、一般用医薬品では少ない商品もあります。
使用できる年齢が異なる
医療用の『カトレップパップ』は添付文書上、使用できる年齢に制限はありません。
それに対し、市販のインドメタシン含有のパップ剤は15歳未満の小児は使用できません。
(※一部の商品は11歳から使用可能です。製品の説明文書をよく確認してください。)
インドメタシン含有の一般用医薬品を使用してはいけない人
一般用医薬品のインドメタシン含有製品を使用できない方もいます。購入時は薬剤師等から説明を受けて購入してください。
1.次の人は使用しないでください
(1)本剤又は本剤の成分により過敏症状(発疹・発赤,かゆみ,かぶれ等)を起こしたことがある人。
(2)ぜんそくを起こしたことがある人。
(3)15歳未満の小児。
2.次の部位には使用しないでください
(1)目の周囲,粘膜等。
(2)湿疹,かぶれ,傷口。
(3)みずむし・たむし等又は化膿している患部。
3.連続して2週間以上使用しないでください
※テイパップID(0.5%)より
インドメタシン含有パップ剤(市販薬)のまとめ
- インドメタシンは医療用にも使用されている成分です。
- インドメタシンの含有量や大きさが異なる商品もあります。
- 15歳未満には使用できません。(一部のインドメタシン含有パップ剤は11歳から使用可能です)
で、この中でどれが良いのかと言われれば、テイパップID(0.5%)でしょう。
こちらの製造販売元は医療用の『カトレップパップ』と同じ帝国製薬です。
但し包装枚数が多いのが難点です。少量でよい方はキュウメタシンパップZがおすすめです。
温感タイプならスキュタームID0.5%ホットがおすすめです。
購入前に薬剤師等によく説明を聞き、用法用量を守って正しくお使いください。