病院でもらった『モーラスパップ・モーラステープ』と同じ成分の市販薬は処方せんが無くても薬局やドラッグストアで買えますか?
『モーラスパップ・モーラステープ』ですね。
では今回は、『モーラスパップ・モーラステープ(成分名:ケトプロフェン)』と同じ成分の市販薬が薬局で買えるか解説していきます。
<プロフィール>
- 大手調剤薬局の管理薬剤師
- 管理薬剤師歴は10年以上
- 一般用医薬品も幅広く販売
スイッチOTC成分を正しく使って上手にセルフメディケーションをするお手伝いをしていきます。
医療用の『モーラスパップ・モーラステープ』と同じ成分のケトプロフェンはスイッチOTC化されています。
処方せんが無くても薬局やドラッグストア、インターネットでの購入が可能です。
医療用(先発品)
- モーラスパップ30mg
- モーラスパップ60mg
- モーラスパップXR120mg
- モーラスパップXR240mg
- ミルタックスパップ30mg
- モーラステープ20mg
- モーラステープL40mg
医療用(後発品)
- ケトプロフェンパップ30mg
- ケトプロフェンテープ20mg
- ケトプロフェンテープ40mg
- ケトプロフェンパップ60mg
- ケトプロフェンパップXR120mg
ケトプロフェンってどんな薬?
ケトプロフェンはプロピオン酸系の酸性非ステロイド性抗炎症薬で、抗炎症、鎮痛作用を示します。
医療用としてはパップ剤、テープ剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤が使用されています。
ケトプロフェンが含まれている市販薬(処方せん無しで購入可能)
ケトプロフェンが含まれている市販薬は以下の通りです。
- オムニードケトプロフェンパップ
まだパップ剤1種のみとなっています。テープ剤は残念ながら発売されていません。
オムニードケトプロフェンパップ
1回1枚、1日2回を限度として患部に貼付してください。
1枚のサイズは14cm×10㎝ 重さは10gでケトプロフェンは1枚当たり30mg含まれています。
成分 1枚中 | 分量 | 内訳 |
---|---|---|
ケトプロフェン | 30mg | |
l-メントール | 50mg | |
1枚 14cm×10cm |
医療用でも使用されているケトプロフェン含有の外用薬で市販されているのはこの1種類だけです。
テープ剤は販売されておらず、パップ剤のみです。
ケトプロフェン製剤は光線過敏症の副作用防止のため、貼付部位を使用後少なくとも4週間は紫外線に当ててはいけません。
外出時は衣服で覆うかサポーター等を使用して防御しましょう。
効果はありますが、副作用に注意をして使用をしてください。
ケトプロフェン含有の医療用医薬品と市販薬の違い
ケトプロフェン含有の医療用医薬品と市販薬との間には違いがあります。
剤型が異なる
医療用にはケトプロフェン含有のテープ剤(モーラステープなど)やゲル剤、クリーム剤、ローション剤がありますが、市販薬はパップ剤のみとなっています。
大きさが異なる
医療用のケトプロフェンパップは4種類あります。
- モーラスパップ30mg 10cm×14cm 1枚当たりの重さ10g
- モーラスパップ60mg 14cm×20cm 1枚当たりの重さ20g
- モーラスパップXR120mg 10cm×14cm 1枚当たりの重さ6g
- モーラスパップXR240mg 14cm×20cm 1枚当たりの重さ12g
オムニードケトプロフェンパップは1枚当たりケトプロフェンを30mg含んでおり、1枚のサイズは14cm×10㎝、重さは10gですから、モーラスパップ30mgと同じということになります。
効能・効果が異なる
効能・効果が異なります。効果といっても効き目が違うわけではありません。
医療用の『モーラスパップ30mg』は以下の疾患に使用できます。(モーラスパップXRはまた違います。)
下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛
一般用医薬品のオムニードケトプロフェンパップは以下の疾患に使用できます。
関節痛,腰痛,肩こりに伴う肩の痛み,肘の痛み(テニス肘など),筋肉痛,腱鞘炎(手・手首の痛み),打撲,捻挫
使用できる年齢が異なる
医療用の『モーラスパップ30mg』は添付文書上、使用できる年齢に制限はありません。
一般用医薬品のオムニードケトプロフェンパップは、15才未満は使用しないこととなっていますのでご注意ください。
ケトプロフェン含有の一般用医薬品を使用してはいけない人
一般用医薬品のケトプロフェン含有製品を使用できない方もいます。購入時は薬剤師等から説明を受けて購入してください。
1.次の人は使用しないでください
(1)本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状(発疹・発赤,かゆみ,かぶれ等)を起こしたことがある人。
(2)ぜんそくを起こしたことがある人。
(3)次の医薬品によるアレルギー症状(発疹・発赤,かゆみ,かぶれ等)を起こしたことがある人。
チアプロフェン酸を含有する解熱鎮痛薬,スプロフェンを含有する外用鎮痛消炎薬,フェノフィブラートを含有する高脂血症治療薬
(4)次の製品によるアレルギー症状(発疹・発赤,かゆみ,かぶれ等)を起こしたことがある人。
オキシベンゾン,オクトクリレンを含有する製品(日焼け止め,香水等)
(5)光線過敏症※を起こしたことがある人。
※お薬を使用していた部位に紫外線があたることにより,強いかゆみを伴う発疹・発赤,ただれ,はれなどの皮膚症状が起こること
(6)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(7)15歳未満の小児。
2.次の部位には使用しないでください。
(1)目の周囲,粘膜等。
(2)傷口。
(3)湿疹,かぶれ。
(4)みずむし・たむし等又は化膿している患部。
3.本剤の使用中は,天候にかかわらず,戸外活動を避けるとともに,日常の外出時も本剤の貼付部を衣服,サポーター等で覆い,紫外線に当てないでください。なお,使用後も当分の間,同様の注意をしてください。(紫外線により,使用中又は使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症があらわれることがあります。)
4.本剤を使用している間は,次の製品を使用しないでください。
オクトクリレンを含有する製品(日焼け止め等)
5.長期連用しないでください。
ケトプロフェン含有パップ剤(市販薬)のまとめ
- ケトプロフェンは医療用にも使用されている成分です。
- ケトプロフェン含有の市販薬はパップ剤のみです。
- 光線過敏症に注意が必要ですので、貼付部位を使用後少なくとも4週間は紫外線に当てないでください。
- 15歳未満には使用できません。
用法用量を守って正しくお使いください。