病院でもらった『アシノン錠』と同じ薬って処方せんが無くても薬局やドラッグストアで購入できますか?
『アシノン錠(成分名:ニザチジン)』ですね。
では今回は『アシノン錠(ニザチジン)』と同じ成分の薬が一般用医薬品として購入できるか解説していきます。
<プロフィール>
- 大手調剤薬局の管理薬剤師
- 管理薬剤師歴は10年以上
- 一般用医薬品も幅広く販売
スイッチOTC成分を正しく使って上手にセルフメディケーションをするお手伝いをしていきます。
医療用の『アシノン錠(ニザチジン)』と同じ成分の薬は、薬局やドラッグストアで処方せん無しで購入可能です。
医療用(先発品):アシノン錠75mg、アシノン錠150mg
医療用(後発品):ニザチジンカプセル75mg、ニザチジンカプセル150mg、ニザチジン錠150mg
医療用の『アシノン錠(ニザチジン)』と同じ成分の一般用医薬品は購入可能
医療用の『アシノン錠(ニザチジン)』はスイッチOTC化されていますので、処方せんが無くても薬局やドラッグストアで購入が可能です。
代表的な商品として、アシノンZという名前で販売されています。
成分 1錠中 | 分量 |
---|---|
ニザチジン | 75mg |
一般用医薬品のアシノン錠には75mgと150mgがありますが、一般用医薬品には有効成分が75mgしか含まれていませんのでご注意ください。
医療用の『アシノン錠(ニザチジン)』と一般用医薬品の違い
医療用の『アシノン錠(ニザチジン)』と一般用医薬品には違いがあります。
効能・効果が異なる
効能・効果とは、使用できる疾患の範囲の事。薬の強さではありません。
医療用の『アシノン錠(ニザチジン)』では以下の疾患に使用できます。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎
○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
それに対し、一般用医薬品では、
胃痛、もたれ、胸やけ、むかつき
となっています。
詳細は購入時に薬剤師等から説明を受け、製品添付の文書の通りの正しい使用をお願いいたします。
使用できる期間が異なる
医療用の『アシノン錠(ニザチジン)』は医師が必要と認める期間の服用が可能ですが、一般用医薬品では服用期間の上限があります。
・3日間服用しても症状の改善がみられない場合は,服用を止めて,医師又は薬剤師に相談してください。
・2週間を超えて続けて服用しないでください。(*)
*重篤な消化器疾患を見過ごすおそれがありますので、医師の診療を受けてください。
ニザチジン含有の一般用医薬品を購入する際の注意
ニザチジン含有の医薬品を使用できない方もいます。購入の際には薬剤師等に確認をお願いします。
1.次の人は服用しないでください
(1)ニザチジン等のH2ブロッカー薬によりアレルギー症状(例えば,発疹・発赤,かゆみ,のど・まぶた・口唇等のはれ)を起こしたことがある人。
(2)医療機関で次の病気の治療や医薬品の投与を受けている人。
血液の病気,腎臓・肝臓の病気,胃・十二指腸の病気,ぜんそく・リウマチ等の免疫系の病気,ステロイド剤,抗生物質,抗がん剤,アゾール系抗真菌剤
(白血球減少,血小板減少等を起こすことがあります。)
(腎臓・肝臓の病気を持っている場合には,薬の排泄が遅れて作用が強くあらわれることがあります。)
(胃・十二指腸の病気の治療を受けている人は,ニザチジンや類似の薬が処方されている可能性が高いので,重複服用に気をつける必要があります。)
(3)医師から赤血球数が少ない(貧血),血小板数が少ない(血が止まりにくい,血が出やすい),白血球数が少ない等の血液異常を指摘されたことがある人。
(本剤を服用するとさらに血球数等が減少する場合があります。)
(4)小児(15才未満)及び高齢者(80才以上)。
(5)妊婦又は妊娠していると思われる婦人並びに授乳婦。
2.本剤を服用している間は,次の医薬品を服用しないでください
他の胃腸薬
まとめ
『アシノン錠(ニザチジン)』と同じ成分の一般用医薬品が販売されていますので、処方せんが無くても薬局やドラッグストアでの購入が可能です。
ニザチジンは、胃酸の分泌をコントロールするH2ブロッカーを含んだ胃腸薬です。
胃酸の出過ぎによる症状(胸やけ、むかつき、胃痛、もたれ)によく効き、胃粘膜の修復を早めます。
用法・用量を守って正しくお使いください。