病院でもらった『ガスター』と同じ薬って処方せんが無くても薬局やドラッグストアで購入できますか?
『ガスター錠(成分名:ファモチジン)』ですね。
では今回は『ガスター錠(ファモチジン)』と同じ成分の薬が一般用医薬品として購入できるか解説していきます。
<プロフィール>
- 大手調剤薬局の管理薬剤師
- 管理薬剤師歴は10年以上
- 一般用医薬品も幅広く販売
スイッチOTC成分を正しく使って上手にセルフメディケーションをするお手伝いをしていきます。
医療用の『ガスター錠(ファモチジン)』と同じ成分の薬は、薬局やドラッグストアで処方せん無しで購入可能です。
医療用の『ガスター錠(ファモチジン)』と同じ成分の一般用医薬品は購入可能
医療用の『ガスター錠(ファモチジン)』はスイッチOTC化されていますので、処方せんが無くても薬局やドラッグストアで購入が可能です。
代表的な商品として、ガスター10、という名前で販売されています。
医療用では、成人には通常10mgまたは20mgが処方されます。
一般用医薬品のガスター10には有効成分が10mgしか含まれていませんのでご注意ください。
普通錠、口の中で解ける口腔内崩壊錠、散剤がありますので、飲みやすい形状のものをお選びください。
効果はどれも同じです。
医療用の『ガスター錠(ファモチジン)』と一般用医薬品の違い
医療用の『ガスター錠(ファモチジン)』と一般用医薬品には違いがあります。
効能・効果が異なる
効能・効果とは、使用できる疾患の範囲の事。薬の強さではありません。
医療用の『ガスター錠(ファモチジン)』では以下の疾患に使用できます。
○ 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消
化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性
食道炎、Zollinger-Ellison症候群
○ 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
それに対し、一般用医薬品では
胃痛、もたれ、胸やけ、むかつき
となっています。
詳細は購入時に薬剤師等から説明を受け、製品添付の文書の通りの正しい使用をお願いいたします。
使用できる期間が異なる
医療用のガスターは医師が必要と認める期間の服用が可能ですが、一般用医薬品では服用期間の上限があります。
・3日間服用しても症状の改善がみられない場合は、服用を止めて、医師又は薬剤師に相談して下さい。
・2週間を超えて続けて服用しないで下さい。
医療用の『ガスター錠』と同じ成分の一般用医薬品はガスター10の他にもたくさん販売されています。
値段が安くても成分量が同じなら効果は同じです。
1錠中にファモチジンが10mg含有されていれば、効果は同じです。
値段が安いものを選べば良いでしょう。
ファモチジン含有の一般用医薬品を購入する際の注意
ファモチジン含有の医薬品を使用できない方もいます。購入の際には薬剤師等に確認をお願いします。
1.次の人は服用しないで下さい。
(1)ファモチジン等のH2ブロッカー薬によりアレルギー症状(例えば,発疹・発赤,かゆみ,のど・まぶた・口唇等のはれ)を起こしたことがある人
(2)医療機関で次の病気の治療や医薬品の投与を受けている人
血液の病気,腎臓・肝臓の病気,心臓の病気,胃・十二指腸の病気,ぜんそく・リウマチ等の免疫系の病気,ステロイド剤,抗生物質,抗がん剤,アゾール系抗真菌剤
(白血球減少,血小板減少等を起こすことがあります)
(腎臓・肝臓の病気を持っている場合には,薬の排泄が遅れて作用が強くあらわれることがあります)
(心筋梗塞・弁膜症・心筋症等の心臓の病気を持っている場合には,心電図異常を伴う脈のみだれがあらわれることがあります)
(胃・十二指腸の病気の治療を受けている人は,ファモチジンや類似の薬が処方されている可能性が高いので,重複服用に気をつける必要があります)
(アゾール系抗真菌剤の吸収が低下して効果が減弱します)
(3)医師から赤血球数が少ない(貧血),血小板数が少ない(血が止まりにくい,血が出やすい),白血球数が少ない等の血液異常を指摘されたことがある人
(本剤が引き金となって再び血液異常を引き起こす可能性があります)
(4)小児(15歳未満)及び高齢者(80歳以上)
(5)妊婦又は妊娠していると思われる人
2.本剤を服用している間は,次の医薬品を服用しないで下さい。
他の胃腸薬
3.授乳中の人は本剤を服用しないか,本剤を服用する場合は授乳を避けて下さい。
まとめ
『ガスター錠(ファモチジン)』と同じ成分の一般用医薬品が販売されていますので、処方せんが無くても薬局やドラッグストアでの購入が可能です。
ファモチジンが10mg含まれていれば、医療用のガスター錠(ファモチジン錠)10mgと効果は同じです。
・ファモチジンは胃酸中和型の胃腸薬とは異なるタイプの胃腸薬で、胃痛・もたれなどにすぐれた効果を発揮します。
・胃の不快な症状の原因となる胃酸の出過ぎをコントロールし、胃粘膜の修復を促します。
用法・用量を守って正しくお使いください。