病院に行かなくても薬局で買える、医療用と同じ成分の市販薬を調剤薬局の管理薬剤師が解説します。

ラミシールクリームと同じ成分の一般用医薬品は薬局で買えますか?

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水虫で困っています。病院には忙しくてなかなかいけません。以前病院でもらった『ラミシールクリーム』と同じ成分の市販薬は薬局やドラッグストアで買えますか?

ラミシールクリーム1%』ですね。
では今回は、『ラミシールクリーム1%』と同じ成分(テルビナフィン塩酸塩)の市販薬の液剤について解説していきたいと思います。

この記事書いた人
phama_di(ファマディー)

<プロフィール>

  • 大手調剤薬局の管理薬剤師
  • 管理薬剤師歴は10年以上
  • 一般用医薬品も幅広く販売

スイッチOTC成分を正しく使って上手にセルフメディケーションをするお手伝いをしていきます。

医療用のテルビナフィン塩酸塩はスイッチOTC化されています。
処方せんが無くても薬局やドラッグストアでの購入が可能です。

医療用(先発品):ラミシールクリーム1%

医療用(後発品):テルビナフィン塩酸塩クリーム1%

目次

テルビナフィン塩酸塩ってどんな薬?

テルビナフィン塩酸塩はアリルアミン系の抗真菌薬で、強い抗真菌活性と幅広い抗真菌スペクトルが特徴です。

皮膚真菌症の原因となる白癬菌やカンジダの発育を抑えます。

テルビナフィン塩酸塩含有の市販薬(クリーム)は処方せんなしで購入可能

テルビナフィン塩酸塩含有の市販薬(クリーム)は以下の通りです。

  • エフゲンクリームα
  • エプールU10クリーム
  • オスタールゴールドクリーム
  • オスタールプラスHTクリーム
  • オスタールプレミアム
  • オロントールEXクリーム
  • カロレスUA
  • キョータップTFクリームEX
  • キルカミンU10クリーム
  • ダマリングランデX
  • テルバインEXクリーム
  • テルバインEXプレミアムクリーム
  • テルバスターEXクリーム
  • トリステアL水虫クリーム
  • ナウエールTFクリームEX
  • ネクストクリーム24
  • ハイミズムシールEXクリーム
  • バリアクトHi2クリーム
  • バリアクトHi2プラスクリーム
  • バンキーU10クリーム
  • ビルモンTFクリームEX
  • フットゾールEXクリーム
  • フットラック クリーム
  • マイキュロンL水虫クリーム
  • マイルゾンTLクリーム
  • マーカムTFクリームEX
  • ミナテクト水虫クリーム
  • メディータム水虫プラスHT10クリーム
  • メディータム水虫プラスHT7クリーム
  • メディータム水虫プラスHTクリーム
  • メンスター水虫クリームEX
  • メンソレータムエクシブEXクリーム
  • メンソレータムエクシブWきわケアジェル
  • メンソレータムエクシブWクリーム
  • メンソレータムエクシブWディープ10クリーム
  • モイシアUA
  • ラウマーU10クリーム
  • ラクストッププラスHT10クリーム
  • ラクストッププラスHTクリーム
  • ラミシールATクリーム
  • ラミシールDX
  • ラミシールプラスクリーム
  • ルメリアTRクリーム
  • 水虫コンプラックEXクリーム
  • 近江兄弟社メンタームディープナー10クリーム

では製品ごとの違いを見て行きましょう。一部のみの商品です。

ダマリングランデX

成分(100g中)分量
テルビナフィン塩酸塩1.0g
イソプロピルメチルフェノール0.3g
リドカイン2.0g
グリチルレチン酸0.5g
l-メントール2.0g
  • テルビナフィン塩酸塩:抗真菌成分
  • イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分
  • リドカイン塩酸塩:鎮痛成分
  • グリチルレチン酸:抗炎症成分
  • l-メントール:清涼感成分

ダマリングランデには液体タイプもあります。クリームと液体タイプでは中の成分は同じです。

メンソレータムエクシブWクリーム

成分(100g)分量
テルビナフィン塩酸塩1g
イソプロピルメチルフェノール1g
リドカイン2g
ジフェンヒドラミン塩酸塩1g
グリチルレチン酸0.1g
  • テルビナフィン塩酸塩:抗真菌成分
  • イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分
  • リドカイン:鎮痛成分
  • ジフェンヒドラミン塩酸塩:かゆみ止め成分
  • グリチルレチン酸:抗炎症成分

かゆみが強い方にはおすすめです。

メンソレータムエクシブWきわケアジェル

成分(100g)分量
テルビナフィン塩酸塩1g
イソプロピルメチルフェノール1g
リドカイン2g
ジフェンヒドラミン塩酸塩1g
グリチルレチン酸0.1g

見た目が気になる爪まわりの水虫を治療することを考えたジェルタイプの水虫治療薬です。
爽やかなせっけんの香り。メンソレータムエクシブWクリームと同じ組成です。

メンソレータムエクシブWディープ10クリーム

成分(100g中)分量
テルビナフィン塩酸塩1g
イソプロピルメチルフェノール1g
尿素10g
リドカイン2g
ジフェンヒドラミン塩酸塩1g
グリチルレチン酸0.1g

尿素が入っているので、足裏やかかとの水虫に対して有効です。

メンソレータムエクシブEXクリーム

成分(100g中)分量
テルビナフィン塩酸塩1g
イソプロピルメチルフェノール1g
クロルフェニラミンマレイン酸塩0.5g
クロタミトン1g
リドカイン2g
グリチルレチン酸0.5g
  • テルビナフィン塩酸塩:抗真菌成分
  • イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩、クロタミトン:かゆみ止め成分
  • リドカイン:鎮痛成分
  • グリチルレチン酸:抗炎症成分

さらにかゆみ止めを増やしていますので、かゆみが強くて辛い方にはおすすめです。



ラミシールATクリーム

成分(1g中)分量
テルビナフィン塩酸塩10mg

有効成分はテルビナフィン塩酸塩だけです。医療用と同じ組成となっています。水虫菌を退治するにはこれで十分です。

ラミシールプラスクリーム

成分(100g)分量
テルビナフィン塩酸塩1g
クロタミトン5g
グリチルレチン酸0.5g
l-メントール2g
尿素5g
  • テルビナフィン塩酸塩:抗真菌成分
  • クロタミトン:かゆみ止め成分
  • グリチルレチン酸:抗炎症成分
  • l-メントール:清涼感成分
  • 尿素:角質を柔らかくする成分

尿素が入っていますので、足裏やかかとの水虫に有効です。

テルビナフィン塩酸塩クリームの医療用医薬品と市販薬の違い

医療用と市販薬では違いがあります。

効能・効果が異なる

効能・効果と言っても、効き目が違うわけではありません。どんな症状に使用できるかです。

医療用医薬品のラミシールクリーム1%は以下の疾患で使用されます。

下記の皮膚真菌症の治療
1.白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬
2.皮膚カンジダ症:指間びらん症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)
3.癜風

一般用医薬品のテルビナフィン塩酸塩含有のクリームは以下の疾患に使用できます。

みずむし、いんきんたむし、ぜにたむし

含有成分が異なる

医療用のラミシールクリーム1%には有効成分はテルビナフィン塩酸塩だけしか入っていません。

それに対して、市販薬には様々な成分が加えられています。

テルビナフィン塩酸塩の濃度は医療用も市販薬も同じですから、しっかり塗れば水虫に対する効果は同じです。

テルビナフィン塩酸塩含有のクリームを使用してはいけない人

テルビナフィン塩酸塩含有のクリームを使用できない方もいます。購入時は薬剤師等から説明を受けて購入してください。

1.次の人は使用しないでください
 本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状(例えば,発疹・発赤,かゆみ,はれ等)を起こしたことがある人
2.次の部位には使用しないでください
 (1)目や目の周囲,粘膜(例えば,口腔,鼻腔,膣等),陰のう,外陰部等
 (2)湿疹
 (3)湿潤,ただれ,亀裂や外傷のひどい患部

テルビナフィン塩酸塩含有のクリーム 一般用医薬品のまとめ

  • テルビナフィン塩酸塩は医療用にも使用されている成分です。
  • 市販薬に含まれているテルビナフィン塩酸塩の濃度は医療用のものと同じです。
  • 市販薬にはテルビナフィン塩酸塩の他にも様々な成分が入っている物もありますが、水虫に対する効果は同じです。
  • 爪わきに塗りやすいジェルタイプや、尿素配合で足裏やかかとの水虫に有効な商品もあります。

用法用量を守って正しくお使いください。

ラミシールクリームと同じ成分の一般用医薬品は薬局で買えますか?

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一般用医薬品購入時の注意点

このサイトでは病院でもらう薬と同じ成分の薬を処方せん無しで購入できるかどうかを紹介していますが、その薬を推奨している訳ではありません。

体質や服用中の薬によっては使用できないものもあります。

一般用医薬品を購入する際には医師・薬剤師・登録販売者に相談をしてください。

免責事項
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この記事を書いた人

pharma_di(ファマディー)
大手チェーン調剤薬局の管理薬剤師。
保険調剤だけでなく市販薬の販売も行っています。

国は医療費削減のため、これからセルフメディケーションを推奨してくるはず。これから自己負担の割合も3割から上がるかもしれません。

この記事を読んでくれた皆様が上手なセルフメディケーションができるよう、薬剤師という立場から市販薬を選ぶポイントを解説しています。

他にも、薬剤師のための転職ブログ(ファマブロ)も運営しています。

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