にきびや吹き出物で困っています。病院には忙しくてなかなかいけません。医療用でも使われているような良く効くにきび薬は市販薬にありますか?
にきびや吹き出物用の塗り薬ですね。
医療用の『スタデルムクリーム5%、ベシカムクリーム5%』と同じ成分(イブプロフェンピコノール)の市販薬のクリーム剤について解説していきたいと思います。
<プロフィール>
- 大手調剤薬局の管理薬剤師
- 管理薬剤師歴は10年以上
- 一般用医薬品も幅広く販売
スイッチOTC成分を正しく使って上手にセルフメディケーションをするお手伝いをしていきます。
医療用の『スタデルムクリーム5%、ベシカムクリーム5%』の有効成分であるイブプロフェンピコノールはスイッチOTC化されています。
処方せんが無くても薬局やドラッグストア、インターネットでの購入が可能です。
医療用(先発品):スタデルムクリーム5%、ベシカムクリーム5%
医療用(後発品):なし
ちなみに、医療用にはスタデルム軟膏もありますが、こちらは尋常性痤瘡(にきび)の適応はありません。
イブプロフェンピコノールってどんな薬?
イブプロフェンピコノールは抗炎症作用があり、皮膚の炎症に用いられます。市販薬ではクリーム剤としてにきび・吹き出物用として使用が可能です。
イブプロフェンピコノール含有の市販薬(クリーム)は処方せんなしで購入可能
イブプロフェンピコノール含有の市販薬(クリーム)は以下の通りです。
- DHC にきびクリーム
- アポスティークリーム
- イハダ アクネキュアクリーム
- エバユースにきび薬
- エプールアクネクリーム
- サンクトリート アクネ
- フレッシングアクネクリーム
- ペアアクネクリームW
- マキロン アクネージュ メディカルクリーム
- メンソレータムアクネス25メディカルクリームc
- モアファイン アクネ
では製品ごとの違いを見て行きましょう。一部のみの商品です。
アポスティークリーム
成分(1g中) | 分量 |
---|---|
イブプロフェンピコノール | 30mg |
イソプロピルメチルフェノール | 1mg |
トコフェロール酢酸エステル | 5mg |
- イブプロフェンピコノール:抗炎症成分
- イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分
- トコフェロール酢酸エステル:血行を良くし,新陳代謝を高めます。
イハダ アクネキュアクリーム
成分(1g中) | 分量 |
---|---|
イブプロフェンピコノール | 30mg |
イソプロピルメチルフェノール | 3mg |
- イブプロフェンピコノール:抗炎症成分
- イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分
エバユースにきび薬
成分(1g中) | 分量 |
---|---|
イブプロフェンピコノール | 30mg |
- イブプロフェンピコノール:抗炎症成分
サンクトリート アクネ
成分(1g中) | 分量 |
---|---|
イブプロフェンピコノール | 30mg |
イソプロピルメチルフェノール | 3mg |
- イブプロフェンピコノール:抗炎症成分
- イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分
フレッシングアクネクリーム
成分 (1g中) | 分量 |
---|---|
イブプロフェンピコノール | 30mg |
- イブプロフェンピコノール:抗炎症成分
ペアアクネクリームW
成分(1g中) | 分量 |
---|---|
イブプロフェンピコノール | 30mg |
イソプロピルメチルフェノール | 3mg |
- イブプロフェンピコノール:抗炎症成分
- イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分
マキロン アクネージュ メディカルクリーム
成分(1g中) | 分量 |
---|---|
イブプロフェンピコノール | 30mg |
ベンゼトニウム塩化物 | 5mg |
トコフェロール酢酸エステル | 5mg |
- イブプロフェンピコノール:抗炎症成分
- ベンゼトニウム塩化物:殺菌成分
- トコフェロール酢酸エステル:血行を良くして新陳代謝を高める。
メンソレータムアクネス25メディカルクリームc
成分(1g中) | 分量 |
---|---|
イブプロフェンピコノール | 30mg |
イソプロピルメチルフェノール | 3mg |
- イブプロフェンピコノール:抗炎症成分
- イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分
イブプロフェンピコノール含有市販薬の違い
ここまで紹介してきたどの商品にもイブプロフェンピコノールを3%含有しています。医療用よりは少なめです。
違いは、イソプロピルメチルフェノールやベンゼトニウム塩化物などの殺菌成分の有無と、トコフェロール酢酸エステル(血行改善成分)の有無です。
とはいえ、ここはあまり気にしすぎる点ではありません。
にきびや吹き出物の治療は、洗顔後にしっかり塗り、規則正しい生活をすることの方が大事だからです。
どの商品もにきびや吹き出物には効果があります。
イブプロフェンピコノールクリームの医療用医薬品と市販薬の違い
医療用と市販薬では違いがあります。
濃度が異なる
医療用のスタデルムクリーム、ベシカムクリームはイブプロフェンピコノールの濃度は5%ですが、市販薬は3%です。
効能・効果が異なる
効能・効果と言っても、効き目が違うわけではありません。どんな症状に使用できるかです。
医療用医薬品のスタデルムクリーム、ベシカムクリームは以下の疾患で使用されます。
急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー皮膚炎、慢性湿疹、酒䉠様皮膚炎・口囲皮膚炎
帯状疱疹
尋常性痤瘡(にきび)
一般用医薬品のイブプロフェンピコノール含有のクリームは以下の疾患に使用できます。
にきび、吹出物
含有成分が異なる
医療用のスタデルムクリーム、ベシカムクリームには有効成分はイブプロフェンピコノールだけしか入っていません。
それに対して、市販薬には殺菌成分が入っているもの、血行促進成分が入っているものなどがあります。
イブプロフェンピコノール含有のクリームを使用してはいけない人
イブプロフェンピコノール含有のクリームを使用できない方もいます。購入時は薬剤師等から説明を受けて購入してください。
次の部位には使用しないでください
目や目の周囲
※ペアアクネクリームWなど他商品も同様
イブプロフェンピコノール含有のクリーム 一般用医薬品のまとめ
- イブプロフェンピコノールは医療用にも使用されている成分です。
- 市販薬に含まれているイブプロフェンピコノールの濃度は医療用の5%に対して3%と低くなっています。
- 市販薬にはイブプロフェンピコノールの他にも様々な成分が入っている物もあります。
- イブプロフェンピコノール以外の成分の有無よりも、洗顔と規則正しい生活の方が治療に役立つと思います。
用法用量を守って正しくお使いください。