お父さんが中性脂肪が高いと健康診断で指摘されました。病院に行ったのですが、まだ治療は不要らしいです。心配なのですが、何か良い市販薬はありませんか?
医療用の『エパデールS(成分名:イコサペント酸エチル)』と同じ成分の市販薬がエパデールTという商品名で販売されています。
では今回はエパデールTについて解説していきたいと思います。
<プロフィール>
- 大手調剤薬局の管理薬剤師
- 管理薬剤師歴は10年以上
- 一般用医薬品も幅広く販売
スイッチOTC成分を正しく使って上手にセルフメディケーションをするお手伝いをしていきます。
医療用の『エパデールS』と同じ成分のイコサペント酸エチルはスイッチOTC化されています。
処方せんが無くても薬局やドラッグストア、インターネットでの購入が可能です。
医療用(先発品):エパデールS300、エパデールS600、エパデールS900、エパデールカプセル
医療用(後発品):イコサペント酸エチル顆粒状カプセル300mg、イコサペント酸エチル顆粒状カプセル600mg、イコサペント酸エチル顆粒状カプセル900mg、イコサペント酸エチルカプセル300mg
イコサペント酸エチルってどんな薬?
イコサペント酸エチルは肝臓での過剰な中性脂肪合成を抑え、血中の余分な中性脂肪の代謝をはやくして中性脂肪の高値を改善する作用があります。
さらに、動脈のしなやかな弾力性を保持する作用や、血小板の凝集をおさえ血流をスムースな状態に導く作用があります。
イコサペント酸エチルが含まれている市販薬(処方せん無しで購入可能)
イコサペント酸エチルが含まれている市販薬は以下の通りです。
- エパデールT
1種類のみでした。
エパデールT
成分 1包中 | 分量 |
---|---|
イコサペント酸エチル | 600mg |
エパデールTは中性脂肪を改善する効果が唯一認められている一般用医薬品です。
エパデールTを服用できる方は制限されています。
詳細は公式ホームページでご確認ください。
エパデールTセルフチェックシートを用いて該当する方だけが服用可能です。
https://brand.taisho.co.jp/epadel-t/pdf/check_1.pdf
エパデールT1包中にイコサペント酸エチル600mg含有されていますので、医療用のエパデールS600と同じです。
イコサペント酸エチル含有の医療用医薬品と市販薬の違い
イコサペント酸エチル含有の医療用医薬品と市販薬との間には違いがあります。
効能・効果が異なる
効能・効果が異なります。効果といっても効き目が違うわけではありません。
医療用の『エパデールS(成分名:イコサペント酸エチル)』は以下の疾患に使用できます。
閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善
高脂血症
一般用医薬品のエパデールTは以下の疾患に使用できます。
健康診断等で指摘された、境界領域注)の中性脂肪値の改善
注)「境界領域」:健康診断などにおいて中性脂肪が正常値よりもやや高めの値(150mg/dL以上300mg/dL未満)を指す
服用できる年齢が異なる
医療用のエパデールSは添付文書上、服用できる年齢に制限はありません。
一般用医薬品のエパデールTは、20才未満は服用しないこととなっていますのでご注意ください。
イコサペント酸エチル含有の一般用医薬品を服用してはいけない人
一般用医薬品のエパデールTを使用できない方もいます。購入時は薬剤師等から説明を受けて購入してください。
次の人は服用しないでください。
(1)20才未満の人。
(2)出血している人。(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等にて出血している場合、止血が困難となることがあります)
(3)出血しやすい人。(出血を助長することがあります)
(4)手術を予定している人。(出血を助長することがあります)
(5)次の医薬品を服用している人。
ワルファリン等の抗凝血薬、アスピリンを含有するかぜ薬・解熱鎮痛薬・抗血小板薬、インドメタシンを含有する鎮痛消炎薬、チクロピジン塩酸塩やシロスタゾール等の抗血小板薬(出血傾向が強くなることがあります)
(6)脂質異常症(高脂血症)、糖尿病又は高血圧症と診断され現在医師の治療を受けている人、あるいは健康診断等で医師の治療を勧められた人。
(7)親、兄弟姉妹に原発性高脂血症と診断された人がいる人。
(8)狭心症、心筋梗塞、脳卒中と診断されたことがある人。
(9)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(10)授乳中の人。(動物試験で乳汁中への移行が認められています)
セルフチェックシートで服用できるに該当した方のみ服用可能です。
イコサペント酸エチル含有一般用医薬品のまとめ
- イコサペント酸エチルは医療用にも使用されている成分です。
- エパデールTは日本で唯一の中性脂肪改善効果のある市販薬
- 服用できる方には制限があります。
- 薬剤師と相談の上購入してください。
用法用量を守って正しくお使いください。